キノコ狩りでの遭難

    栃木県では、今年、チチタケ狩りでの遭難が相次いでいるというニュースがあった。高温多雨でチチタケの当たり年になっていることも事故が増えている原因らしい。
    私も、今年の7月初頭に東京郊外で初めてチチタケを見つけたばかりだったが、その後、7月の末に富士山のとある場所でものすごい群生に遭遇した。様子見という気分で森を散策していたので採取用のカゴなどがなく、しかたなく、持っていた大きめのコンビニ袋にキノコを入れたのだが、20分もかからずに袋がパンパンになってしまった。それでも、採りきれないチチタケがまだまだ森の中には咲き乱れていた。
    下段2つの写真は、先日の富士山で、植林されたアカマツ林の中に出ていたヒロハチチタケの表と裏。チチタケに比べるとヒダがかなり疎で、全体の色が淡い。この個体は、カサの大きさが15cmほどもある大物だった。
    キノコ探しに夢中になって危険な場所にまで入り込んでしまう気持ちは痛いほど分かるが、命あっての物種。皆さんにも、決して山を見くびらずに、くれぐれも気をつけていただきたい。


    2010/7/27 (富士山)


    2010/8/4 (富士山)


    2010/8/4 (富士山)

    栃木県といえばU字工事かチチタケか

    これが本家本元のチチタケ。じつは、このメジャーなキノコに今まで出会ったことがなかった。メインフィールドにしている富士山あたりでは多くのチチタケの仲間が発生するが、この本家は見つけられなかった。秋以外のシーズン、そして富士山以外の里山などもこまめに回るようになった今年、やっとのことで出会うことができた菌。その名の通り、このキノコは傷つけると白い乳液をタラタラと流す。乳液はかなりベタつき、それが乾くと魚介類の干物のような匂いになる。
    チチタケといえば栃木県だ。栃木県では異常なほどにこのキノコの人気が高いと聞く。現地では「チタケ」もしくは「チダケ」と呼ぶ。栃木県の人が「きのこ狩り」と言えば、即「チタケ狩り」のことらしい。なぜ栃木の人は、このキノコにそれほどまでに執着するのだろうか?チチタケに愛情のない人たち(その多くは他県出身の人)から言わせると、このキノコは「ボソボソしてて不味い」ということになる。秘密を解く鍵は「チチタケうどん」という料理にあるようだ。
    チチタケうどんはキノコを具とするのではなく、そのダシを使って汁を作り、そこにうどんをつけて食べる。つまりは、「出汁キノコ」という扱いのようだ。私も、簡単なレシピを見つけて作ってみたが、素朴な味わいでなかなか美味い。ダシを取った後のチチタケは漉して捨てるという人もいるが、油で炒めてから醤油などで煮詰めたチチタケ自身も干し肉のような食感で美味かったのが意外だった。栃木の本物のチチタケうどんを食ってみなければ本当の味がどんな塩梅だかわからないが、またチチタケを探しに行って、その調理法をもっと研究してみようと思った。


    2010/7/10 (東京郊外)


    2010/7/10 (東京郊外)


    傷を付けるとみるみる白い乳液が出てくる
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

    Eat-a Fungi

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。