続報オオツガモドキ=キアブラシメジ?

    先日、その強い苦味にやられたオオツガモドキ=キアブラシメジだが、図鑑やネット上でもあまり詳しい情報が出ていないようなので、新たな情報共有という意味で再び。
    今回このキノコに出会ったのは、まさにオオツガタケが出てくる環境であった。8月の末から9月の頭にかけてオオツガタケを採りに行く、シャクナゲまじりの標高の高い林地。そこに見たことのない立派な株立ちのキノコが出ていた。傘の色は黄色よりは茶色に近く、強い粘性がある。カサの大きさは2~4cmぐらいだ。あまりにも見映えの良いキノコだったので「何だろう?」と思い採取してみた。すると、柄がハッキリとした「こん棒」状になっている。「もしかして・・・」と傘のあたりを囓ってみると、強い苦味を感じた。これはまさにオオツガモドキ=キアブラシメジだろう。
    先日採った個体は、カサの大きさが10cm近い大物だったが、図鑑には2~5cmと書かれている。また、先日の傘の色が黄の強い褐色だったのに比べて、今回のものに黄色は感じられず、赤っぽい茶色だった。さらに、単生することが多いとも言われるが、今回のものは写真で分かるように見事な株立ちである。こんな株が、2~3カ所で見られた。この「株立ち」以外の特徴は、図鑑で見る限り、今回の個体の方が典型的なのだろう。ただ、少し気になるのはヒダについてだ。通常は「密」であると言われており、実際に先日の個体のヒダも密であった。しかし、今回の個体は、どちらかというと「疎」だと思う。山と渓谷社の「日本のきのこ」によると、やはりヒダは密であると書かれているが、そこに掲載された写真の個体は今回出会ったものとそっくりで、ヒダはやはり「疎」気味である。大きく成長すると、小ヒダが伸びて間を埋めることでヒダ全体が密になるということなのだろうか。それともこれは、キアブラシメジとはまた別の種類のキノコなのだろうか。
    このキアブラシメジは苦味は強いが、どうやら「毒」ではなさそうなので(先日、何口か食べた自分の場合、その後、身体に異常はなかった)、それほどナーバスにならなくてもよいのかも知れない。むしろ私などは、柄もしっかりと中実であり、美味そうなキノコの特徴をここまで揃えられてしまうと、敬意さえ表したくなるのだが。

    ※「北陸のきのこ図鑑」によると、キアブラシメジは「群生」し、ヒダは「やや密」で幅4mm内外とある。また、どうやらキアブラシメジモドキというキノコも存在するらしいのだが、私の手持ちの資料やネット上の情報では写真等が確認できず、詳細は分からない。図鑑などに書かれているヒダの疎/密については、どうやら自分の感覚と少しズレがあるようには思う。


    2010/8/4 (富士山)


    2010/8/4 (富士山)


    7/31に採取した個体のヒダ (菌友S氏撮影)

    意表を突かれた激苦味

    昨日、ここ2~3日間の雨を受けて原生林は素晴らしい景色を見せてくれるだろう、と期待して菌友と2人で富士山に出かけてきた。土曜日なので、時間に余裕を持ち、日の出1時間ほど前に須走5合目の駐車場に到着する予定で家を出たのだが、いざふじあざみラインを上っていくと、終点からほぼ3km下まで路上駐車の列が。いやはや何ともすさまじい富士山ブームだ。やはり、この時期、週末は富士山に近づかない方がよさそうである。いたしかたなく、来た道を舞い戻り、クルマを河口湖方面へ飛ばして滝沢林道の5合目へ向かった。
    森の中で見られたのはあっちこっちに出始めた若いアンズタケアシベニイグチウラグロニガイグチ、ドクヤマドリなどのイグチ類、カワリハツ、キハツタケなどのベニタケ類、多数のウスタケとフジウスタケ、採るには忍びない出たばかりのホウキタケ(写真下)、そして僅かながらショウゲンジも。
    菌友が黄褐色の傘をつけた中型のキレイなキノコを見つけた。大きめのクリフウセンタケのような感じだが、単性しており皮膜も目立たない(写真上)。いずれにしても美味そうなキノコだったので、お土産屋のキノコ博士おばちゃんに見てもらおうと採取した。見てもらった結果は「ツガタケ(=オオツガタケ)だ」という鑑定。「そうか、大きめのクリフウセンタケオオツガタケは、自分もいつも迷うからな・・・」などと思いながら帰宅し、いざ調理に。1合目周辺で採ったハナビラタケや野菜と一緒にソテーして食べてみると・・・口の中に一気に強い苦味が広がった。「あっ!」そのキノコの名前が浮かんだのは、その直後だ。オオツガモドキ=キアブラシメジオオツガタケと間違いやすく、苦くて食には適さないと言われるキノコで、私はそれまでに出会ったことがなかった菌。オオツガタケとの違いは、柄が下部に向けて一度太くなってから細まる「こん棒状」であるという点だ。
    隣で不安そうな顔をして見ているカミさんをよそに、「なるほど~」などと言いながらその苦味を何度も味わい、私は意表を突かれた不食菌との出会いをニヤニヤしながら楽しんでいた。菌バカに付ける薬はないようだ。


    2010/7/31 (富士山)


    2010/7/31 (富士山)
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。