フレッシュポルチーニという贅沢

    先週、先々週の御山行きでは期待しつつも見あたらなかったヤマドリタケにようやく会えた。ヤマドリ色と呼ばれるその色彩の美しさ、太く大きく構えたその風格ある存在感。やはりヤマドリタケはイグチの中の王様だと思う(裏の王様はドクヤマドリかな)。日本の市場にはなかなか出回らない生のポルチーニは、夏の時期、キノコ師だけが味わえる密かな贅沢だ。


    2015/9/5 (富士山)


    2015/9/5 (富士山)

    ポルチーニの季節

    この時期、富士山の針葉樹林に入ると、苔絨毯の間からキレイな赤褐色の姿を現しているヤマドリタケ。柄もカサも硬いほどに充実している。カサの表面は、油を染みこませたようなジットリとした艶を見せているが、ソテーなどにしてみると、食感もジットリと粘つく感じがある。これを美味しいと感じるか苦手と思うか、人によって大きく別れる。乾燥させたドライポルチーニと採れたてのフレッシュポルチーニを併用してパスタやリゾットにすれば、この上なく贅沢な旬の味だ。


    2011/8/11 (富士山)


    2011/8/11 (富士山)

    最高のイグチ

    ヤマドリタケ=ポルチーニである。富士山では、今頃から8月末頃までが最盛期だと思う。あまりまとまって生えていないので数を集めるのは大変だが、私はこの時期になると「狙い」に行く。以前は、ヤマドリタケモドキと混同されていたこともあるようだが、漂わせている「品格」がモドキとは比べものにならない。
    脂を染みこませた上質の革製品のようなツヤと、森の中で輝いて見える明るい赤褐色。特に若い菌はカサも柄も全てが緻密で美しく、手に取った時の重量感には「ありがたみ」がある。大きく成長するとさすがに管孔はナメクジなどの餌食になりやすいが、密度の高い柄には虫が入りにくいようだ。よく「柄の上部にのみ細かい網目がある」と説明されるが、その網目もかなりよく観察しないと分からないほどに微細であることが多い。
    乾燥させたヤマドリタケを使ってパスタやリゾットを作ると、ちゃんとしたレストランで食べるものと遜色のない味と香りが楽しめる。一度にたくさん採れない場合には、乾燥保存して、すこしずつ数を貯めていくといい。
    その美しさがヤマドリの羽の色に似ているところから名付けられたヤマドリタケ。私にとっては、イグチ類の中で間違いなくナンバー1のキノコである。


    2010/8/18 (富士山)


    2010/8/14 (富士山)


    白い細粒点のように見える微細な網目

    菌種の偏り

     おなじキノコ師と言っても、採っているキノコの種類には人それぞれ偏りがあるようだ。それは、主に活動しているフィールドの違いや、好みの違いなどによる。
     私の場合は、富士山のツガ/コメツガなどの針葉樹林を主なフィールドにしているので、毎年マツタケには出会っていても、ウラベニホテイシメジチチタケといった広葉樹林系のキノコに疎い。また、私らはヤマドリタケ=ポルチーニ(写真)やクロラッパタケなどの「洋物キノコ」を好んで採るが、上の世代のキノコ師はこの手をあまり採らないようだ。ヤマドリタケを乾燥させて使えば、イタメシ屋の「ポルチーニ茸のリゾット」そのままの味が再現できるのだが、要は、慣れ親しんだ料理の違いということだろうか(最近では、マツタケの香りが「臭くて嫌い」という新世代もいるくらいだ)。
     私も、去年あたりから富士山以外のフィールドにも活動を広げ始め、菌種に偏りのない「上級者」を目指しているのだが。去年は「まずは天然マイタケを」と意気込んでみたものの、あの大不作のために空振りだった。今年に入ってからは「毎月キノコ採り」と銘打って、秋以外のキノコにも目配りを。5月も半ばといえば、そろそろカンゾウタケの季節だ。近々、このブログで報告しようと思う。


    2009/8/26 (富士山)
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。