中心生のツキヨタケ

    上段の写真に写っている、倒木から生えるキノコ。まるでカヤタケのような見ばえだが、これはツキヨタケだ。普通、ツキヨタケは偏心生(ヒラタケ型)であるが、これは、ど真ん中の中心生だった。
    最近、ヒラタケと誤ってツキヨタケを販売してしまった事件があったが、ツキヨタケのチェックポイントである「根元の黒いシミ」は、中心生であっても、もちろん存在している。


    2014/9/27 (富士山)


    ※キレイな中心生


    ※柄の断面にちゃんと黒いシミが見える。左は偏心生の個体

    ブナの倒木に鎮座する光

    この時期にブナの倒木を渡り歩くのには、優良な食菌探しの意味もあるが、それとは別に、シーズンに一度は見ておきたい光景があるという理由も挙げられる。そう、毒菌ツキヨタケの群生である。それにしても、ツキヨタケというのは立派なキノコだ。肉厚で大きく、ふてぶてしいまでの威圧感さえ備えている。写真の群生では、大きい個体は径が30cm近くもあった。
    ツキヨタケという名前の由来となる「発光性」だが、ちょっとの暗さの中では感じられないほどの弱い光だ。しかし、今回、数枚のツキヨタケを持ち帰り、長時間露光による撮影に挑戦してみたが、あまり長くシャッターを開けておくと明るく写りすぎてしまうほどの光力はあった。アップした写真で、ISO800、2分間ほどの露光。
    まだ電灯などがなく、夜がきちんと真っ暗な古の時代、森の中でツキヨタケの群生した立ち枯れ木などを目撃しようものなら、緑色にボオッと発光するその姿に、神秘や恐怖を感じずにはいられなかったであろう。


    2010/10/20 (富士山)


    2010/10/20 (富士山)


    ISO800、2分間の露光でこのくらいの明るさに写る。

    キノコ中毒

     普通の人たちが容易にキノコに手を出せないのは「毒キノコ」という存在があるからだ。毒と言っても、1本で昇天できるものから、腹痛や吐き気、下痢に見舞われるもの、酒に酔ったようになるものなど、その効能は様々だ。
     私は残念なことに、同定の誤りによって中毒になったことがない(敢えて「中毒」を経験したことは2度ほどあるが)。上級者曰く、「キノコは当たりながら覚えていくものだ」と。しかし、私が採ってきた天然キノコはうちのカミさんも食べるので、キノコ採りに対して悪い印象を与えないようにとキノコの同定には人一倍気を使っている(つもり)。じゃないと、「またキノコ狩りなんかに出掛けて!」などと言われ、きっと日々の採取活動に支障を来してしまうだろう。
     ごらんの写真は「中毒者数ナンバー1」の名を欲しいままにしているツキヨタケ。この菌は大きく立派なキノコで、ブナの木に密生するその勇姿には見とれてしまうほどだ。ムキタケヒラタケシイタケなどと間違って中毒する人が後を絶たないという。特に、ムキタケとは同じ木に混生することもあるらしいから要注意だ。同定のポイントは、柄に輪っかのようなツバがあること。そして、縦に割ると付け根の部分に黒いシミがあること。その名の由来になっている「発光性」については、よっぽど注意しないと分からない程度のものだ。死ぬようなことはめったにないらしいが、中毒するとおめき苦しむので「オメキ」という呼び名もあるくらいの強者。
     ちなみに、キノコのことばかり気にして仕事も手につかない状態になるのも「キノコ中毒」という(富士山をメインフィールドにしている場合は「富士の病」とも)。私の場合、こちらの中毒は、もう回復不能なほどの末期症状を呈している。


    2009/9/16 (富士山)


    2009/9/16 (富士山)
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。