晴天の旅行者

    上の写真はツチグリ。下のはヒナツチガキ(だと思う)。この手のキノコの仲間は、キノコシーズンが終わる頃、林道の脇などに、胞子を撒いたあとの「残骸」が転がっているのを見つけるというイメージがある。実際には、夏あたりから頑張って繁殖体勢に入っているはずなのだが、他の優良キノコが生えているシーズンには人間の意識が向かないということなのだろう。
    ツチグリは、以前に、幼菌=「まめだんご」を初体験の珍味として取りあげたことがあるが、成菌もなかなか不思議なキャラクターの持ち主だ。星形でひび割れ模様の外皮など、その造形には異星人的な趣さえあるが、欧米では「地上の星」「星形の湿度計」などとも呼ばれるらしい。湿度の変化によって外皮を開閉するので「湿度計」と言われるのだが、空気が乾燥している時には外皮を閉じて丸くなり、風に吹かれてコロコロと転がって移動するという。その行動?から「晴天の旅行者」との異名も。
    まだ果実が膨らむ前の「柿の実+ヘタ」にそっくりな「ツチガキ」には複数の種類があるようだが、ツチグリ科(ニセショウロ目)とは別のヒメツチグリ科(ホコリタケ目)に分類されているので、ツチグリとは行動パターンも異なるのだろうか。


    2010/10/27 (富士山)


    2010/11/6 (神奈川郊外)

    アンチグローバル食=まめだんご

    キノコ好きの私も、これは知らなかった。近所の公園を散策していたら、ショウロのように丸く、表面をマツタケのような鱗片で覆われたキノコと思われるものを見つけた。何だかわからなかったので菌友に写真を見せたところ、「それ、マメダンゴじゃないか?」と。「まめだんご」「けーころ」「ころべ」地方によって様々な呼び名があるようだが、その正体はツチグリというキノコの幼菌だ。ツチグリの成菌はよく見かけるが、幼菌は初めて見た。ただそれだけでは、さほど興味を抱かなかっただろうが、このマメダンゴ、九州や東北の一部では食用にされていて、マツタケ並みに珍重している地域もあるそうだ。そう聞いては、食べずにはおられまい。
    ナイフで切ってみると、皮が三層になっているのがわかる。成熟すると外側の皮が裂けて星形のように開き、中からホコリタケのような本体が現れる。そして、頭頂部に穴が開いて胞子を吹き出す仕組みだ。中身が白いうちは可食。黒くなっていると苦いらしい。汚れ等を洗い流してからバターで炒め、醤油を垂らして食べてみた。皮の部分はしっかりとしていて、パキッ+コリコリとした歯ごたえ。中の部分はホコリタケのハンペン様や、ショウロの焼き林檎風とも異なり、トロッとクリーミーである。味や匂いにまったく癖がない。皮と中身の食感の違いが面白く、なかなかの珍味だ。味噌汁の具などとしても使われるらしい。ちなみに、タイ国でもツチグリの幼菌は食べられているらしく、塩水漬けの缶詰などが売られている。
    キノコは地域に根ざした食文化として受け継がれていることも多く、それが全国化しないところが現代の総均一化社会においては貴重である。食文化におけるアンチグローバルの雄と言ったところか。


    2010/7/6 (東京郊外)


    2010/7/6 (東京郊外)


    左はマメダンゴの断面。右はツチグリの老菌
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

    Eat-a Fungi

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。