オオツガタケの幼菌

    8月半ばになると山のことが気になりはじめる。そして、わざわざ狙いに行く本格シーズン最初の「大物」はオオツガタケだ。遭遇できるかどうかわからないままにかなり標高の高いところまで登っていくので、見つからなければ大いなる疲労感が、そして出会えた時には何とも言えぬ達成感が待っている。
    過去に何度かオオツガタケを見つけたことのある場所まで辿りついたが、すぐには発見できなかった。そして、3時間ほど歩き続けた後にシーズン初めのまだ鈍っている身体が悲鳴をあげはじめていたので、そろそろ下りはじめようかと思い向きを変えた視界に飛び込んできたのがこの「頭」だ。周囲を見回すと、下の写真に写っている株が木の葉の下に隠れていた。傘の縁から柄にべったりとまとわりついている白い膜はオオツガタケの特徴だが、傘の色が濃いのと、ダルマ型、そして株立ちという特徴はオオツガタケに当てはまらないような気もした。考えられる「間違い」の対象はオオツガモドキことキアブラシメジだが、囓ってみても苦みはまったく感じられない。炊き込みご飯に入れてみたが、その素晴らしい歯ごたえがオオツガタケであることを物語っていた(はず)。


    2015/8/19 (富士山)


    2015/8/19 (富士山)

    大きなツガタケとオオツガタケと

    ツガタケが大発生している、しかもかなり大型になったものが。そんな情報を聞きつけて、富士山の5合目周辺を歩いてきた。
    確かに、カサの径が10cmを超えるツガタケがたくさん発生していた。人間が採取する前に大きくなった=いつもより早めに発生していた、ということだとは思うが、幼菌であってもそのアタマの大きさがいつもより大きいものが多かった気がする。つまりは、成長の度合いとは関係なく、個体自体が通年よりも大型化しているということになる。
    オオツガタケも数本見られた。成長すると虫にやられやすい菌だが、ここのところは雨が続いていたので、虫にもやられていないキレイな個体だった。


    2011/8/30 (富士山) ※ツガタケ。径10cmを超える大物がいくつも見られた


    2011/8/30 (富士山) ※オオツガタケ。カサの周囲に、膜の跡がキレイに白く残っている

    富士山のオオツガタケは、どの樹と関係を結んでいるのか?

    オオツガタケを狙いに、富士山のかなり標高の高いポイントまで行ってきた。今年はオオツガタケの発生が遅れていると聞いていたが、確かに去年の同時期と比べても数が少ないように感じる。なんとか幼菌4本、開きを3本採ることができたが、このキノコは虫にやられやすく、やはり成菌はほぼ全滅だった。
    オオツガタケは、ツガやアカマツの樹と共生関係を結ぶと言われる。むかし、蓼科でオオツガタケを採った時にも、別荘地のアカマツの樹の根本から放射状に生えていた。しかし、今日のポイントは標高が高く、アカマツはもちろん、ツガの樹もほとんど見あたらない。一面、シャクナゲが生い茂っているような場所だ。ここのオオツガタケは、そのシャクナゲの茂みの中にポツポツと出ているのだが、どの樹の根と菌根を作っているのだろうか?
    オオツガタケの一番の外見的特徴は、クモの巣様の膜にあると思う。幼菌の時にはカサの縁から柄にかけて膜が覆い、成菌になっても、カサの縁には膜の名残が白くへばりつき、柄には茶色っぽい膜状のツバとなって残る。大型の菌で採取の喜びも大きく、味、香り、歯ごたえともに素晴らしい超優良菌だ。
    「夏キノコ」として8月の末頃にピークが来る富士山のオオツガタケだが、この調子では、今シーズンは不作のまま終わってしまうのだろうか。


    2010/9/3 (富士山)


    2010/9/3 (富士山)


    成菌と幼菌の全貌。柄はかなり深いところから伸びている。
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。