ヤギタケは乾燥に強い?

    連休前の関東地方は乾燥が続き、土曜日に富士山の森の中に入った時は地面もカラカラでキノコは期待できなかったのだが。土曜の夜から日曜にかけてそこそこの降雨があり、雨が上がった午後に森に入ってみると予想に反して多くのキノコが見られた。中でもヤギタケはあちこちに群生していて、さながら祭状態だった。例年に比べて巨大な個体も多かったヤギタケだが、雨が降って一日で発生〜成長したわけではあるまい。大きな個体はスが入ったものも多く、少しボロボロ気味になっていた。しかし、完全に朽ちてるのではなく、乾燥後に水分を吸って復活しているという様子。
    数日後にまた森を訪れてみると、降雨後に出てきたと思われる新鮮な個体と巨大ヤギタケとが混じり合って、森の中を地味な色で賑やかせていた。以前、やはり乾燥が続いた森の中でヤギタケだけは頑張って発生していたのを目撃したことがあるが、決して頑丈な作りではないのに、このキノコは乾燥にも強い種類なんだと思う。


    2015/10/14 (富士山)


    2015/10/14 (富士山)

    白いヤギタケ

    アカマツ林の中で「白いカサ、柄は中実、ヒダは疎」というキノコを見つけて、はじめは同定できなかったのだが、その後すぐに典型的なヤギタケを見つけて理解できた。黒いキノコというイメージの強いヤギタケだが、地元の人に聞いてみると、生える場所によっては白っぽくもなるそうだ。最下段の写真は、通常のヤギタケと白い個体を比較したもの。さしずめ、白ヤギと黒ヤギといったところ。白いヤギタケの場合、カサだけでなく柄の色も白かった。あのクロカワにも「シロット」と呼ばれる白い個体があったり、シロヌメリイグチを「クロヌメリイグチ」と呼ぶ地域があったりと、キノコの色における「黒」と「白」は背中合わせだ。黒、灰色、褐色、白と、ヤギタケの色の変異も幅広い。


    2013/10/13 (富士山)


    2013/10/13 (富士山) ※これは褐色タイプ


    ※左が「白いヤギタケ

    炒めればシャキシャキ煮込めばシットリの良菌

    今月半ばに、小さな子どものいる友人たちを誘って、富士山の下の方でファミリーキノコ狩りをやったのだが、その際にも、みんなヤギタケをポツポツと採ってきていた。今年は、どうやらヤギタケが豊作らしい。そう考え、数年前に出会ったことのあるヤギタケの群生に会いたくてアカマツと広葉樹の混生林をウロチョロしてみたのだが、散生という具合のヤギタケにしか出会えなかった。地面は完全に乾燥して冬モード。タイミングがちょっと遅かったようだ。
    以前、ヤギタケがたくさん採れた時には、炒めてパスタの具などに使った。採った時には全体に脆いイメージがあるが、熱を通すと弾力が出て、シャキシャキとした歯ごたえが美味しかった。今回は、和風の煮物に使ってみたが、茹でるとしっとりとした弾力になり、これもなかなか美味。味はそれほど強くないが、食材としてはマイルドなシメジという感じで、非常に優秀な食菌だと思う。


    2011/10/27 (富士山)


    2011/10/27 (富士山)


    ※ちょっと粗めで真っ白なヒダが特徴

    ヤギタケは何故かマイナー?

    このキノコも、富士山では10月後半あたりからのターゲットとして狙いに行くのだが、いまだに確固たるシロが持てずにいる。ヤギタケ。3年ほど前に、富士山のとある森の中でこのキノコの群生に出会ったことがあるが、それ以降は、毎年、単発でしか出会えていない。
    写真ではどうしても茶色っぽく見えてしまう。実際にはグレー~黒のキノコだ。幼菌の頃には、カサや柄の黒とヒダの白とのコントラストがクッキリしていて非常に美しい。シャキシャキとした歯触りがあり、味や匂いにもクセがなく、とても美味しいキノコだと思うのだが、キノコ本などではあまりメジャーな扱いを受けていない気がする。時期的にもキノコシーズンの終わりの頃だし、量的にもチャナメツムタケほどには期待できないし、森の中でも見つけにくい地味な色だしと、人間の眼をうまくかいくぐっているからだろうか。
    ときどき、ほとんどヤギタケと同じ見映えでも、よく見るとヒダが肉色をしているキノコに出会う。ウスアカヒダタケと言う食菌だそうだ。


    2010/10/27 (山梨県)


    2010/10/27 (山梨県) ※このようにジョウゴ型になる成菌と、下の写真のように平らに開く成菌とがある。


    2007/10/24 (富士山) ※むかし見たヤギタケの群生の一部。
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。