雨後のオキナたち

    この時期、雨が降った翌日などには、ウッドチップや芝生などの上にオキナタケ科のキノコが群生している。ここに挙げたのは、キコガサタケ。駐車場となっている芝生の上に、かなりの数が姿を見せていた。小型で、脆く、ずっと日に当たっているとすぐにしおれてしまう。雨後にドッと姿を現し、アッという間に姿を消す、とても儚い存在だ。


    2011/6/28 (東京郊外)


    2011/6/28 (東京郊外)

    小柄でスラッとした

    テングタケ科のキノコたちも、夏の森の一大勢力だ。森を賑わすようになるには、季節的にはまだこれからというところだが、キレイなテングツルタケが1本だけ姿を見せていた。冠するツルタケの名に恥じず、スラッとした首の長さが特徴だが、他のツルタケの仲間に比べると小型(カサの径5cm前後)で、カサに残るツボの破片と放射状の溝線、粉っぽく見える柄の小鱗片が特徴だ。山渓の「日本のきのこ」では「食」扱いになってはいるが、ツルタケカバイロツルタケでさえ手を出さない自分らにとっては、鑑賞限定の菌の一つである。(※「有毒」としている本もあるので要注意です)


    2011/6/28 (東京郊外)


    2011/6/28 (東京郊外)

    夏を呼ぶベニタケ

    森の中で、梅雨の頃から元気がいいのがベニタケ類だ。白や薄紫色など、紅色ではないベニタケ類も出てはいたが、ここでは紅色系だけを並べてみた。左上がニオイコベニタケで、左下がケショウハツ。この2つは、カブトムシの匂い+色味の特徴から、私でも判断がつく。右列上下の2種は、私には、詳しい種類はわからない。皮を剥いたり、囓ったりすればキチンと同定できるのだろうが、私のような手抜きキノコ師にとって、ベニタケ類はそこまでの興味を抱かせないのも事実だ。今日の森の中では、気の早いムラサキヤマドリタケも何本か見ることができた。この後、梅雨が明ける頃には、イグチ類が森の一大勢力となるはずだ。


    2011/6/28 (東京郊外)

    サンコタケ、ヨンコタケ、ロッコタケ

    梅雨の時期から見られる面白菌の代表、サンコタケだ。3本の腕が頂点で結合している形が、密教で使われる三鈷という仏具に似ているのでこの名前がついているが、腕の数が4本のものや、多いものでは6本タイプまであるそうだ。だからといって、ヨンコタケやロッコタケと呼ぶわけではない。
    今回、雨で倒れながらも、キレイな形で腕が残っていた3本タイプと4本タイプを見ることができたので、ここに写真を掲載した。この2つは30cmも離れていない所に点在していたのだが、はたして何を要因として3本タイプと4本タイプの差異が生まれるのであろうか。


    2011/6/28 (東京郊外) ※腕が3本のタイプ。


    2011/6/28 (東京郊外) ※腕が4本のタイプ。

    胞子の詰まった袋を飛ばすキノコ

    ハタケチャダイゴケ。径5mm前後の小さな菌だが、チャダイゴケの仲間はとても不思議な仕組みを備えている。
    ギザギザとしているのは幼菌で、成熟すると「フタ」が開いて中に入っているペリジオールという碁石状の粒が露出する。この粒の中には胞子が詰まっているらしく、また「ヘソの緒」と呼ばれるヒモが付いているそうだ。そして、雨滴が落ちて当たると、このペリジオールが勢いよく飛び出し、ヘソの緒で周囲の草などに絡みつく。それを動物が食べることによって糞の中に胞子を排泄し、畑地などでまた繁殖する。よく肥えた土地に発生するようで、写真の場所は、丘陵地の公園の中の、ウッドチップが敷かれてジメジメしているような場所だった。
    ハタケチャダイゴケ以外に、チャダイゴケの仲間は数種類ある。かなり小さな菌なので、気をつけていないと見過ごしてしまうが、自分の場合は、他の小型菌などを見つけて顔を地面に近づけたついでに発見することが多い。


    2011/6/14 (東京郊外)


    ※カップの中に見えている黒い粒がペリジオール。

    旬の舌

    もう時期的に遅いかなとは思ったが、やはり初夏にしか見られない旬の姿だからということで、スダジイの林が残る丘陵地まで様子を見に行ってきた。ヨーロッパでは「牛の舌」と呼ばれるカンゾウタケ。もう古くて黒ずんでいるものも多かったが、大きなスダジイの根際にキレイな舌型の個体を二つほど見つけることが出来た。出たばかりの若い個体だと裏面もキレイな紅色をしているが、時間が経つと色あせて白っぽくなるようだ。
    カンゾウタケと言えば「生食可」ということが有名だが、決して生で食べるのが美味いというわけではない。個人的には、ソテーして食した方が食感もブリンブリンとして美味いと思う。
    いつもはフラッシュをたかない写真を基本としているが、今回は、キノコ自体の色味が中実に再現できていたフラッシュ撮影分をアップした。


    2011/6/9 (東京郊外)


    2011/6/9 (東京郊外)


    2011/6/9 (東京郊外)

    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

    Eat-a Fungi

    Calendar
    05 | 2011/06 | 07
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 - -
    New!
    Monthly Archives
    All Logs List

    >See all logs' list

    Coments
    Trackbacks
    Search
    Recomended Books
    Weather
    Link
    Fungi Index
    アイタケ    アイシメジ アオイヌシメジ アカアザタケ アカチシオタケ アカツムタケ アカハツ    アカモミタケ アカヤマタケ  アカヤマドリ アケボノサクラシメジ アシグロタケ アミガサタケ  アミタケ アミハナイグチ アメリカウラベニイロガワリ アラゲキクラゲ アンズタケ イッポンシメジ イボテングタケ ウスキテングタケ   ウスキモリノカサ ウスタケ    ウスヒラタケ ウツロベニハナイグチ  ウラグロニガイグチ ウラベニガサ  ウラベニホテイシメジ エセオリミキ  エゾハリタケ エノキタケ   オウギタケ オオイチョウタケ オオウスムラサキフウセンタケ オオキツネタケ オオキノボリイグチ オオゴムタケ オオシャグマタケ オオツガタケ  オオツガタケ オオミノイタチハリタケ  オオムラサキフウセンタケ オオモミタケ  オキナクサハツ オシロイシメジ オニイグチ オニウスタケ  オニタケ カキシメジ   カクミノシメジ カニノツメ   カノシタ カベンタケ   カヤタケ カラカサタケ  カラマツチチタケ カラマツベニハナイグチ カワラタケ カワリハツ   カンゾウタケ キアブラシメジ キイボカサタケ キアミアシイグチ キクラゲ キコガサタケ  キサケツバタケ キサマツモドキ キシメジ キタマゴタケ  キチチタケ キチャワンタケ キナメツムタケ キヌガサタケ  キヌメリガサ キノボリイグチ キハツタケ キヒダタケ   キララタケ キンチャワンタケ クサウラベニタケ クサハツモドキ クチキトサカタケ クチベニタケ  クリイロイグチ クリイロチャワンタケ   クリタケ クリフウセンタケ クロカワ クロチチタケ  クロノボリリュウ クロホコリタケ クロラッパタケ ケショウハツ  ケロウジ コウタケ    コガネタケ コガネヤマドリ  コキララタケ コクリノカサ  コスリコギタケ コテングタケモドキ  コビチャニガイグチ サクラシメジ  サクラタケ サケツバタケ ザラエノハラタケ サンコタケ   サンゴハリタケ シイタケ    シシタケ シモフリシメジ ジャガイモタケ シャカシメジ  シャグマアミガサタケ ショウゲンジ  ショウロ シラウオタケ  シロオニタケ シロキクラゲ  シロケシメジモドキ シロシメジ   シロナメツムタケ シロヌメリイグチ   シロヤマイグチ シワチャヤマイグチ   スギタケ スギヒラタケ  ズキンタケ スッポンタケ  センボンイチメガサ タヌキノチャブクロ   タマキクラゲ タマゴタケ   タマシロオニタケ チシオタケ   チチタケ チャナメツムタケ ツエタケ ツガタケ    ツキヨタケ ツチグリ    ツバアブラシメジ ツバキキンカクチャワンタケ  ツバササクレシメシ ツバフウセンタケ    ツルタケ テングツルタケ  トキイロラッパタケ ドクササコ   ドクツルタケ ドクベニタケ  ドクヤマドリ ナカグロモリノカサ   ナメコ ナラタケ   ナラタケモドキ ニオイコベニタケ   ニオイハリタケモドキ ニオイワチチタケニガクリタケ ニガクリタケモドキ   ニカワツノタケ ニカワハリタケ ニシキタケ ニセアシベニイグチ  ニワタケ ヌメリアカチチタケ   ヌメリイグチ ヌメリササタケ ヌメリスギタケ ヌメリツバタケモドキ  ネズミシメジ ノウタケ    ノボリリュウタケ ハタケチャダイゴケ  ハツタケ ハナイグチ   ハナオチバタケ ハナガサイグチ ハナビラタケ ハナビラニカワタケ   バライロウラベニイロガワリ ハルシメジ   ハンノキイグチ ヒグマアミガサタケ   ヒトクチタケ ヒナツチガキ  ヒビワレシロハツ ヒメカバイロタケ   ヒメキクラゲ ヒメサクラシメジ   ヒメスッポンタケ ヒメベニテングタケ   ヒラタケ ヒロハチチタケ フキサクラシメジ フサクギタケ  フサタケ フサヒメホウキタケ   フチドリツエタケ ブナシメジ   ブドウニガイグチ ブナハリタケ  ベニテングタケ ベニハナイグチ ベニヤマタケ ヘラタケ    ホウキタケ ホオベニシロアシイグチ  ホコリタケ ホテイシメジ  ホテイタケ ホンシメジ   マイタケ マクキヌガサタケ    マスタケ マツオウジ   マツタケ マツタケモドキ マメザヤタケ マンネンタケ   ミイノモミウラモドキ ミキイロウスタケ    ミドリニガイグチ ミネシメジ   ミヤマタマゴタケ ムカシオオミダレタケ   ムキタケ ムラサキアブラシメジモドキ ムラサキシメジ ムラサキヤマドリタケ  ムレオオフウセンタケ モエギタケ   モミジタケ ヤギタケ    ヤマイグチ ヤマドリタケ  ヤマドリタケモドキ ヤマブシタケ  ルリハツタケ ロクショウグサレキン  ワタカラカサタケ

    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。