ダケなのか?タケなのか?

    今回の富士山散策で、最も多くの数が見られたのはこのキノコだ。大きいものでは、カサの径が20cm近くにもなっていた。このキノコの名前について語られる時、「~ダケと濁音になるのはキハツダケだけだ」という話が出てくるが、これは本当だろうか?キノコの正式名=標準和名についてのコメントだが、山渓の「日本のきのこ」での表記は「キハツタケ」と濁っていない。「~ダケ」という響きはどこか「素人っぽい」ので、自分は、キハツタケと清音で呼んでいるのだが。はたして正解はどちらなのだろう?
    キハツタケの成長した個体はじょうご型になるが、個人的には、開ききる前の中央部が窪んだこの写真のような形の時が、肉厚感もありとても美しいと思っている。ちょうど、深澤直人のデザインした加湿器のようだ。乳液は白色で、時間が経つと青緑色のシミに変わる。下の写真に見られる透明な水滴は乳液ではなく、雨か湿気によるものだろう。マリネにすると美味いと言われているが、食感ボソボソ系なので私はパスしている。


    2011/8/30 (富士山)


    2011/8/30 (富士山) ※この写真の透明の水滴はキノコの乳液ではない

    大きなツガタケとオオツガタケと

    ツガタケが大発生している、しかもかなり大型になったものが。そんな情報を聞きつけて、富士山の5合目周辺を歩いてきた。
    確かに、カサの径が10cmを超えるツガタケがたくさん発生していた。人間が採取する前に大きくなった=いつもより早めに発生していた、ということだとは思うが、幼菌であってもそのアタマの大きさがいつもより大きいものが多かった気がする。つまりは、成長の度合いとは関係なく、個体自体が通年よりも大型化しているということになる。
    オオツガタケも数本見られた。成長すると虫にやられやすい菌だが、ここのところは雨が続いていたので、虫にもやられていないキレイな個体だった。


    2011/8/30 (富士山) ※ツガタケ。径10cmを超える大物がいくつも見られた


    2011/8/30 (富士山) ※オオツガタケ。カサの周囲に、膜の跡がキレイに白く残っている

    ホウキタケ型のイボタケ科

    富士山の針葉樹林の中で、黒+白でギザギザのヘラ型のキノコがあるなと思って抜いてみると、実際にはホウキ型をしていた。しかし、ホウキタケの仲間のように弾力はなく、かなり硬質でゴワゴワとしている。図鑑でホウキタケの周辺を探ってみても同定できなかったのだが、前記のニオイハリタケモドキのページの近くにこのキノコの写真が載っていた。モミジタケ。これでイボタケ科のキノコだそうである。先端部だけが白く、全体の黒色とのコントラストがキレイだ。このような扁平型のタイプとは別に、丸みを帯びたタイプもあるようだ。


    2011/8/24 (富士山)


    ※ホウキ型をしているがかなり硬質

    水色のイボタケ科

    今の時期に富士山の針葉樹林を歩くと、あっちこっちでその姿を見ることができる。ニオイハリタケモドキ。水色でフェルト状のカサが美しいのだが、惜しいかな、その中心部は朽ち木のような色と質感である。成長するほどに、この中心部の比率が大きくなっていき、見た目の美しさが消えるとともに個人的には興味の対象外になっていく。逆に、発生したばかりの幼菌には、時々、蜜のような水滴をつけた個体があって、まるで地球外生物(もしくはお菓子の「ぷっちょ」)のようで、非常に興味深い。元ネタとなるニオイハリタケはカサの色がもう少し白っぽく、強いアンズ臭があるという。


    2011/8/24 (富士山)


    2011/8/24 (富士山) ※裏側は針状


    2009/9/9 (富士山) ※蜜のような滴をつけた幼菌

    猫の舌

    ニカワハリタケ。富士山で見かけるものは、図鑑などに出ている黒~褐色のものとは違い、カサの表面も裏側と同じように白っぽい個体が多い。針葉樹と思われる倒木から発生している。全体が弾力のあるゼラチン質でブルンブルンしており、カサの裏は標準和名の通り針状である。別名「猫の舌」。食菌であるが、味というよりは食感を楽しむものだろう。


    2011/8/24 (富士山)


    ※裏側は針状だが、針もゼラチン質。2-3cm幅の小型のものが多い。

    アセチレン臭ってどんなニオイ?

    富士山の原生林を歩いていると普通に出会うキノコだ。オオウスムラサキフウセンタケ。特に幼菌のうちには、原生林の中でかなり違和感のある明るい紫色を放っている。
    このキノコが語られる時、かならず「アセチレン臭」「刺激臭」という言葉が出てくる。毒ではないようだが、このニオイが邪魔になって美味しくないという話。ただし、私は、この「不快なニオイ」を実感したことがない。今回もニオイをかいでみたのだが、それほど悪いニオイとも思えないキノコ臭がしていた。そもそもアセチレンの臭いというのがピンと来ないのだが、もしかしたら自分はアセチレン臭を不快に思わない特異な体質なのだろうか。


    2011/8/24 (富士山)


    2011/8/24 (富士山)

    今シーズンの初マツタケ

    ここ数日に雨による潤いもそこそこあっただろうし、とマツタケ狙いで山に入ってみた。そして、コメツガ林の中で見つけた今シーズン初のマツタケがこれ。触るまでもなく完全にグズグズ。腐ったマツタケ特有の臭いを発していました。他の個体には出会えず。森の中の湿り気具合は悪くないのだが、どうも気温の低下っぷりが足りないようだ。温度が下がったと思ったら、すぐにまた暑くなり・・・。そんな具合で、うまく生育できないのだろう。
    他のキノコの状況といえば、少し前にも書いたショウゲンジは悪くない感じ。マツタケを求めての移動中に、なんとなくキレイな個体だけを採取しても、そこそこの数がすぐに集まってしまった。


    2011/8/24 (富士山)


    2011/8/24 (富士山)
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。