富士山のコウタケ

    (自分の入っている範囲の)富士山では、コウタケにはなかなかお目にかかれない。この写真の個体は、マツタケも出る赤松と広葉樹の混生林で見かけたもの。このポイントには何年も通っているが、ここでコウタケを見たのは初めてだ。コウタケではなくシシタケではないか?という疑念を晴らすべく家に持ち帰ってから真っ二つに切ってみたが、柄の陥没が見事に最下部まで貫いていた。(これで本当に疑念は晴れてますか?)


    2016/9/28 (富士山)


    ※根元までの窪みがわかる断面

    色を洗い流したような

    最初に見た時は、雨で色が落ちてしまったヤマイグチか?と思った。ヤマイグチの特徴である柄の黒いブツブツ。その造形としての突起は存在するのだが、その先端にあるはずの黒色が見えない。カサも基本「白」である。近くに生えていた幼菌も真っ白であるのを見てピンときた。シロヤマイグチだ。いつもはヤマイグチが多く生えている斜面で遭遇した。アルビノなどの変異ではなく、ちゃんとした独立種だそうだ。


    2016/9/28 (富士山)


    2016/9/28 (富士山) ※幼菌の時から「真っ白」だ


    2016/9/28 (富士山)

    広葉樹の森の中のツガタケ?

    コウタケが出る広葉樹の森の中にポコポコと散生していたこのキノコ。幼菌の様子やカサの色などはまるでオオツガタケだが、ほとんどが単独で生えていること、また小型であること、そして広葉樹林に生えていることからも違うのは明白だろう。オオツガタケを小型にしたような容姿で広葉樹林に生えるキノコと言えば、すぐにクリフウセンタケが浮かぶが、その単生/散生の具合、そして中膨れにして先端がとがり気味の柄はクリフウセンタケとも違う。中膨れ先端とがり柄でオオツガタケに似ていると言えばあの苦きキアブラシメジ(オオツガモドキ)があると思い出し、生のまま囓ってみたが、まったく苦みはない。
    自分がフィールドにしている東京〜山梨/富士山あたりのキノコ事情とは異なる情報が載っていて重宝している書籍「東北きのこ図鑑」(家の光教会刊)に、オオツガタケの変種である「ツガタケ(Cortinarius claricolor var. claricolor)」なるキノコが載っていたのを思い出した。自分がツガタケと言う時、通常は、富士山あたりで珍重されている「ツガフウセンタケ」を指す。しかし、「東北きのこ図鑑」に掲載されている「ツガタケ」は、写真での見栄えがほぼオオツガタケとおなじであり、針葉樹林の他「ブナの樹下」にも少数群生と書かれている。この線でネット上でさらに調べてみると、見た目等はピッタリと当てはまる。ただし図鑑にも記述があるように、オオツガタケよりも大型であるという点が決定的に異なるのだが・・・。
    「きっと旨いであろうフウセンタケの仲間」ということは見当がついたので、いくつかの幼菌をバターでソテーして食べてみた。食感はクリフウセンタケよりも硬質でコリコリとしている。癖はなく美味しい。食べてから1日経っても異常はない。このキノコは炊き込みご飯などにしたら、かなり旨いだろう。
    大雨の中の急斜面での遭遇であり、カメラの調子も悪く、いい加減な写真しか残っていないのだが、このキノコ、幼菌時にはカサから柄にかけてクモの巣状の膜が覆っている。幼菌時のヒダはごく薄い紫色をしており、湿時にカサは滑り気でツルツルとしている。大きくても成菌で径7cmくらいまでか。はてさて、この菌は一体なんなのだろう?


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/24 (山梨県)

    緑色の頭巾

    この個体は、正確にはアカエノズキンタケなのだろう。レギュラーのズキンタケは全体が黄土色なのに対して、こちらはオレンジ色の柄に緑の頭部というカラフルさだ。落ち葉で埋まった森の地面で可愛らしく目立つ存在だ。
    ※数日後に典型的な色のアカエノズキンタケを見かけたので追加で写真をアップしておきます。


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/28 (富士山) ※典型的な色のアカエノズキンタケ

    いつの日かカサ1枚のフライを

    カラカサタケのレシピと言えば「フライ」と相場が決まっている。カサがスポンジ様のこのキノコ、フライを揚げるメンド臭さを超えてまで食べてみようという気を起こさせないのも事実だ。でも、径20cmを超えるカサをまるごと揚げたフライは見てみたいものだ。味にはまったく癖がないと聞く。好奇心がメンド臭さを超える日は、いつのことだろうか。


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/24 (山梨県)

    極細ハブラシのように細く鋭く

    いまの季節、ホウキタケナギナタタケソウメンタケの仲間など、フサフサ、ヒョロヒョロとしたキノコが数多く森の中を彩っているが、「細く鋭く」という意味ではこの菌もトップクラスではなかろうか。フサタケ。まるで、極細ハブラシのデン●ーシス●マの毛先のようなトゲトゲ具合だ。触ってみるのを忘れてしまったが、意外と強靱な質感らしい。


    2016/9/24 (山梨県)

    コリコリとしたドラゴン

    このキノコもアップしてなかったか。ノボリリュウタケ。典型の個体では鞍型となるが、通常は複雑な形に変形した頭部。そしてそれを持ち上げる荒々しい溝線を備えた柄。これを、まるで龍が天空に向けて昇っていく様子と捉えたノボリリュウというネーミングは、なかなか秀逸だ。茹でこぼしてから食べてみると、コリコリとした歯ごたえが面白い。


    2016/9/24 (山梨県)


    2016/9/24 (山梨県) ※ピンぼけ失礼!
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

    Eat-a Fungi

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。