屈曲マツタケ

    今シーズンは、記録的な長雨やその後の暑さつづきなど天候がイレギュラーで、キノコたちもいつ姿を現してよいものやら戸惑っているに違いない。通常ならば10月に入ると赤松林でボコボコと姿を現す王様たちも今年はここまで見れずにいたのだが、寒さも進みもうシーズン終了かという最後の最後に、なんとか2本ほどの赤松マツタケを拝むことができた。その1本が、この個体だ。溶岩の小さな洞の中で出る方向を迷いながら伸びてゆき、やっとのことで落ち着いてカサを開くポジションを確保できたのだろう。


    2016/10/22 (富士山)

    緑色に染めぬかれた木片

    これはロキウショウグサレキンか、それともロクショウグサレキンモドキか。柄が中心生で左右対称形なら本家、柄が偏心生で左右非対称ならモドキ。う〜ん、これはどっちだろうか?モドキかな。
    森を歩いていると、時々、砕けて露出した中身が全面緑色に染まっている木片を見つけることがある。その化学薬品で染められたような濃い緑色を不思議かつ不気味に感じるのだが、その犯人はこの菌らしい。ヨーロッパあたりでは、ロクショウグサレキンの色素で緑色に染まった木片をグリーンウッドと呼び、削って煮出して、布を緑色に染めるのに利用するのだそうだ。


    2016/10/12 (富士山)


    ※濃い緑色に染まった「グリーンウッド」

    地上高5mの巨大ウサギ

    ブナ林でのキノコ探索は、地面を注視する通常のキノコ採りとは異なり、木々を見上げて歩くことが多くなる。この日もツキヨタケをはじめ、ヌメリツバタケブナハリタケなど様々な菌が巨木や立ち枯れ木などに姿を見せていた。
    ふとブナの大樹を仰ぎ見ると、地上から5mくらいのところに白く大きな塊が飛び出しているのが見て取れた。その大きさから、はじめはサンゴハリタケかと思ったのだが、よく見ると白い針が垂直に垂れ下がっているのがわかった。ヤマブシタケ、別名ウサギ茸だ。マイタケが採れる広葉樹の山で見かけるヤマブシタケは野球ボールからソフトボール大のものが普通で、こんなにバカでかい個体は見たことがない。ぜひとも手にとって間近で見たいものだ。しかし、いかんせん、その発生場所が地上から高すぎて手が届かない・・・。
    同行者とともに行動を開始した。周囲に転がっていた全長3mほどの丸太状の倒木を抱え上げ、樹上のターゲットに向けて突き上げる・・・長さがあと50cmほど足りない。エイヤッ!かなりの重量がある丸太を垂直に投げあげてみるが、なかなかうまく当たらない。ズドン!数度目のトライで、見事ヒットする。白い大きな塊がドサリと地上に落ちてきた。落下の衝撃で大きな白ウサギは砕け散り、いくつかの破片に分かれてしまったが、悪戦苦闘の末、雨を吸ってずっしりと重い巨大な塊を手にすることができた。全体では径25cmはあったであろう、おばけヤマブシタケだ。腕の中で強い菌臭を放っている。
    かつては「幻のキノコ」とされていたヤマブシタケではあるが、最近では当たり前のように栽培モノがスーパーの店頭に並ぶ。しかし、この大きさは天然モノならではの迫力だろう。最近の健康食ブームに乗って流れてくる噂によると、ヤマブシタケは「ボケ」に効くらしい。こんな天然ヤマブシタケを食らえば、自分のひどい物忘れも治るかもしれない。


    2016/10/12 (富士山) ※地上から5mくらいのところに見える白い塊


    ※これが一つの塊を形成していた


    ※地上に落ちて割れた後の一塊でもこのサイズ

    苦労した末のマイタケは格別

    いつも入っている山で「今シーズンのマイタケはもう終わりだ」という情報を聞いた。そこで「ここは、一丁、高いとこまで昇ってみようか」と、菌友と奥地を目指した。途中、何度も挫折しかかったが、自身の身体にムチ打ち、ピークまでたどり着いた。そこで待っていたのは、山の主のような巨木と、その広がった根のまわりに姿を現していた美しい黒マイタケ4株。苦労した末に見つけたマイタケは格別だが、そこに至るまでに疲労困憊していて舞を踊る気にはならなかった。


    2016/10/8 (山梨県)


    2016/10/8 (山梨県) ※奥の赤矢印のところにも2株

    ブナの倒木に生えるキノコと言えば・・・

    ブナの倒木に生えるキノコと言えば、すぐにツキヨタケが頭に浮かぶ。この日も、林道から見下ろす斜面に、ツキヨタケがビッシリと群生している倒木が見えたので、名高い毒キノコたちに挨拶をしに近づいてみた。すると、ふてぶてしい姿の毒菌の間に、モスグリーンのイボイボな塊が3つほどある。触ったり押したりしてみると、けっこう弾力があって強靱な感触だ。クチキトサカタケという。ブナの倒木上に生えるキノコだそうだ。この扁平状のパーツを取り出すと、一つ一つが鶏のトサカのような格好をしている。それが、この名を戴いている理由。一属一種の日本特産らしく、県によっては絶滅危惧種扱いに指定されているところもあるようだ。


    2016/10/8 (山梨県)


    2016/10/8 (山梨県) ※ツキヨタケの隣に生えていた

    富士山のコウタケBEYOND

    前回に続いて、また富士山でコウタケに遭遇したのでアップ。わずかな広葉樹が混じっているアカマツ林の中で。溶岩地だからか、柄の部分が長めだ。前回のコウタケは見た目の美しさと違い、腐り気味だったのか腐敗臭が混ざっていた。今回の個体は見た目の不格好さとは裏腹に、コウタケの典型的なよい香りがしている。富士山でコウタケが頻繁に見られるようになったのは、温暖化など地球環境の変化と関係あるのだろうか?などと気になってしまった。


    2016/10/8 (富士山) ※不格好ではあるが・・・


    ※柄が長めだ


    ※貫通している陥没の様子
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。