静岡と山梨で大きく評価が分かれるツガタケ

    この菌は、代表的な「富士山ならでは」のキノコだろう。俗称は「ツガタケ」。明るい褐色をしており、カサには鱗片が付く。フウセンタケの仲間特有の「クモの巣」があり、成長するとそれが柄に張り付いていることが多い。
    正式名はニセマンジュウガサともオオカシワギタケとも言われるが、その2種の写真などを見ると、どうも違う。学術的?には、日本の現代キノコ学の父である川村清一博士の「原色日本菌類図鑑」にキレイな観察図つきで「ツガタケ」として取り上げられているのが、このキノコの名前の「原典」であるようだが、それ以降、この菌についてはあまり深掘りされずに「正式名不詳」のまま放っておかれてきたのではないだろうか。しかし一方で、この菌は富士山ではとてもポピュラーなキノコだ。そのギャップに、今の時代においても「地域性」が強く、情報や価値観が全国均一化しない、という「キノコ」の面白さを感じさせられる。
    地域性と言えば、このツガタケは、おなじ富士山であっても静岡側と山梨側ではまったく評価が異なる。静岡側(御殿場側?)では、このキノコを見せると「お、ツガタケ。いいキノコを採ってきたね~」と褒められるが、一方で、山梨側でこのキノコを見せると「ああ、フウセンタケね」と一瞥されて終わりである。山梨側では「ツガタケ」と言えばオオツガタケのことであり、このキノコは「その他フウセンタケ」という扱いだ(ツガフウセンタケと呼ぶ人もいる)。
    個人的な評価はどうかというと、私はこのキノコは「Aクラス」だと思う。その色あいや模様も美しく、生の状態では独特の甘い香りを漂わせる。ずんぐりと下ぶくれの柄は緻密で、食べた時の歯ごたえの良さはもちろん(炊き込みご飯が美味い)、採取の時の感触も心地よい。シーズンになれば珍しくはないが、だからと言ってウジャウジャと飽きるほど採れるわけでもない。つまり、森の中で見つけた時の「喜び」がちゃんと持続する。私にとっては、すべての点において、おなじフウセンタケ科のショウゲンジよりも格段に上だ。昨日の富士山では、ある標高を超えるとどこに行ってもショウゲンジだらけだったが、私の「キノコ眼」はショウゲンジには反応せず、苔の中から姿を見せているツガタケの明るい褐色を追っていた。


    2010/8/25 (富士山)


    成菌になるとクモの巣が柄に張り付く


    ツガタケの成菌(まだ若め)と幼菌

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    Re: 今年のオオツガタケは

    タケオさん、はじめまして。
    先日もオオツガタケ狙いで標高の高いところまで行きましたが、結局、1本しか見つかりませんでした。まわりの人に聞いても、どうやら今年は遅れているようです。その代わりに、大きめのツガタケがあっちこっちで群生していましたよ。

    > はじめまして。
    > ツガタケといえば気になるのがオオツガタケです。富士山の上の方では今年はオオツガタケはどうなんでしょう?

    今年のオオツガタケは

    はじめまして。
    ツガタケといえば気になるのがオオツガタケです。富士山の上の方では今年はオオツガタケはどうなんでしょう?
    Eat-a Fungi.
    東京在住。キノコ中級者。いちばん好きなキノコはチャナメツムタケ。自由業。

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    *このブログ中でのキノコの同定には間違いがある可能性もあります。天然キノコを食される場合にはご自身の責任においてご判断ください。 *福島第一原子力発電所事故の影響により富士山をはじめとする各地で天然キノコの採取に対する自粛の要請が自治体から出されています。このサイトは皆さまに各地での天然キノコ採取を薦める主旨のものではありません。くれぐれも、各自、自己責任でのご判断を願います。